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ユダヤ陰謀論で読み解く226事件の謎

time 2016/11/01

ユダヤ陰謀論で読み解く226事件の謎

226-1

226事件には謎が多いーー。

一般にこの事件は天皇親政を目指した皇道派の青年将校によるクーデターという説明がなされている。しかし研究者以外、この説明だけで事件の全容を了解できる人はほとんどいないであろう。彼らが何に憤り、何を目的としたのか、そしてその背景にはいったい何があったのか、一般の人にはなんら具体的なイメージが浮かばないからだ。

ではなぜ青年将校たちはあのような事件を引き起こしたのであろうか。それを知る手がかりを探すため、ここではまず彼らの思想的よりどころとなった『日本改造法案大綱』をひもといてみたい。

『日本改造法案大綱』は、いうまでもなく国家社会主義者として知られる北一輝の著作である。これは当時の行き詰まった日本を改造するためのいわば革命マニュアルでもあったわけだが、その柱となったのは「国家社会主義」と「アジア解放」の二つであった。そしてこのふたつをもって新生日本をつくろうと彼らが掲げたのが昭和維新というスローガンであった。

昭和維新というのはいうまでもなく明治維新にならったものである。明治維新の際、打倒すべき対象となったのは徳川幕府であったが、昭和維新の場合、それは政治家と財閥であった。社会の行き詰まりの原因はどこにあるのかーー。皇道派によれば、それは腐敗した政治家と財閥にあった。彼らによれば財閥は英米資本とつるんで国内外に貧困を生み出している。そして政治家はそれと結託し、甘い汁を吸っている。これはけしからん、というわけだ。

そうしてこれを解決するためのひとつ目の柱とされたのが、国家社会主義という社会経済システムであった。

また彼らはアジアで唯一近代化に成功した日本は、英米の植民地支配にあえぐアジアを解放せねばならないとも考えた。しかるに、いまの日本の政治家と財閥は英米協調の名の下、英米と一緒になって金儲けにうつつを抜かしている。これもけしからん。本来、日本がすべきことは英米の機嫌を取りながら金儲けに精を出すことではない。アジアを英米の桎梏から解放することであるべきだと考えたのである。これがふたつめの柱であるアジア解放である。

ここで重要なのは、こうした考え方がその当時、特段新しいものではなかったことである。当時の右翼勢力を代表するイデオローグのひとりであった大川周明も、現況の世界体制をかつての徳川家を中心とした幕藩体制の地球版とみなし、その最大の実力者たる英米を「世界幕府」と称し打倒すべき対象としている。本来、倒すべき徳川幕府に取り入り、甘い汁を吸う地方の大名に日本を、とくにその支配階級をなぞらえたわけである。

またここで注目されるのは、「英米(もしくはその裏にいる支配者)を世界幕府」とみなす考え方と「英米資本と結託して民衆を苦しめる国内の売国奴」という図式が21世紀のいまもなお一部の人の間で信じられているユダヤ陰謀論にきわめて近いものであることだ。これは何を意味しているのか。

思い出してほしいのは、当時、少なくない軍人たちがユダヤ陰謀論の信奉者だったという事実である。実際、当時の上級将校の一部はユダヤ陰謀論を提唱する怪しげな宗教団体や政治団体のメンバーだったという記録も残っている。であれば、226事件を引き起こした当時の皇道派将校たちがこのユダヤ陰謀論の影響を受けていた可能性も考えられるだろう。少なくとも社会改革の理想に燃え、世界中の新思想に対しても鋭敏なアンテナを張っていた年若い将校らがそれを知らなかったはずはないだろう。そして仮に知っていたとすれば多少なりとも影響を受けた可能性があるはずである。こうしてみると226事件の原動力となったのはじつはユダヤ陰謀論であり、皇道派の将校たちはユダヤによる世界支配を阻止せんとして決起したのだという仮説も成り立つのではないかーー。

じつはこの仮説を裏づけるというか、裏付ける可能性のある出来事が、ちょうどその前年、中国で発生している。蒋介石の国民政府が英米の支援のもと断行した幣制改革である。これは名目上は中国の古い貨幣制度を近代的な管理通貨制度に改めるというものであったが、実際には貨幣発行権という国の根幹に関わる主権を蒋介石とその取り巻きが巨額な賄賂と引き換えに英米資本に売り渡したも同然の売国的な政策であったといわれる。これに対し愛国的な皇道派将校たちが、何の危機感ももたなかったというのも考えにくい。このままでは日本の政治家・財閥も中国同様、いつか英米資本にこの国を売り渡してしまうのではないか。そうして、そう考え思い詰めた彼らが、もはや一刻の猶予もならないとして決起に踏み切ったのが二二六事件だったのではあるまいか。

もちろんこれは憶測の上に憶測を重ねた仮説ともいえない与太話に近いものである。だが、仮に皇道派の将校たちの考え方がこのようなものであったとしたなら、彼らがなぜあれほど義憤にかられたのか、なぜ彼らの怒りが高橋是清や西園寺公望ら英米と近しい政治家に向けられたのか、おぼろげながらではあるがなんとか理解できるように思うのは私だけだろうか。

それにしても、気になるのは当時皇道派を突き動かしたかもしれないユダヤ陰謀論が、現代の日本社会に再び広がっているという事実だ。これはいったい何を示唆しているのであろうか。こうした時空を超えた不可解な一致も含め、この226事件があの時代を振り返ろうとするわれわれの前にいまもなお大きくたちはだかっていることだけは間違いない。

 

 

 

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