全米各地で「反トランプ」デモ続く 学生ら授業ボイコット

大統領選挙に当選したドナルド・トランプ氏が「我々は今こそ、この分断の傷をいやし、共に結束していく時だ」と厳かな表情で語るのを、パキスタン人のジシャン・アルハッサン・ウスマニ氏(38)はどんな気分で見ていただろう。

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ウスマニ氏はつい最近まで、妻と3人の息子と共にノースカロライナ州フェイエットビル(人口20万)に住んでいた。ウスマニ一家を取り囲む空気は、トランプ氏がイスラム教徒を敵視する発言を繰り返してきたこの1年たらずの間に、目に見えて悪化した。

6月には、一家が通っていたモスクに白人男性が乱入し「イスラム教徒は殺してやる」と脅し、イスラム教徒が不浄として忌む豚肉をモスクの玄関に投げつける事件があった。7月のある深夜には、ウスマニ家に近所の住民が押しかけて差別的な言葉を叫び、「アメリカ人の作法と暮らし方」を教えてやるといって騒ぐ事件が起きた。9月には、かつてウスマニ氏がフロリダに住んでいたとき通っていたモスクが放火された。

テロ防止に献身してきた科学者がテロリスト?

家族にも実害が及んでいた。8歳の次男は、父親のウスマニ氏が濃い髭を生やしていることから、クラスメートから「テロリスト」と呼ばれた。

14歳の長男もつらい体験をした。あるときクラスメートが、父親が南米から買ってきた珍しいナイフを学校へ持ちこみ、生徒たちの間で話題の中心になった。それを見た長男は、父親のパキスタン土産のナイフを学校へ持って行った。ところがこれを教師に見とがめられた。学校が緊急閉鎖される騒ぎとなり、長男は6カ月の停学処分を受けた。テロ行為の準備をしたと疑われたのだ。

皮肉なことにウスマニ氏はテロの防止技術を研究するコンピューターサイエンティストである。フルブライト奨学金を得てアメリカで学び、博士号を取得。IS(イスラム国)にリクルートされやすい若者の傾向をビッグデータを駆使して探る技術のほか、国連のプロジェクトに協力して、自爆テロによる建物の被害(すなわち人的被害)を軽減するためのミュレーションソフトなどを開発してきた。

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